登山のプランニングのツボ 【日の出・南中・日の入り時刻の割り出しと、コースタイム割り増し】

山に登る日の、その山の日の入り(日没)の時刻を知っておくこと。登山のプランニングのツボの一つだ。特に秋冬の山では大切になる。

日の入り時刻を踏まえ、下山終了時刻を設定

日の入り時刻は、1ヵ月で30~45分くらい変わる

皆さんは日の入り時刻を踏まえて下山終了時刻(下山先のバス停や駅、山小屋やテントサイトなどに到着)を設定していると思うが、
自分は、3月なら16時台、4~6月は17〜18時、夏はMAX15時30分、9月17時、10月16時、11月以降冬場は15時としている(関東周辺の山の場合)。

下表は、2018年の東京の日の出・南中・日の入り時刻。
日の出もそうだが、日の入りは、1ヵ月で30~45分くらい遅くなったり早くなったりする。
「南中」というのは、太陽がちょうど真南にくることで、1日で太陽がいちばん高いところにある時だ。

東京の日の出・南中・日の入り時刻 (標高0m)[2018年]
  1月 2月 3月 4月 5月 6月
1日 15日 1日 15日 1日 15日 1日 15日 1日 15日 1日 15日
日の出 06:51 06:50 06:41 06:28 06:12 05:53 05:28 05:09 04:50 04:36 04:27 04:25
南中 11:44 11:50 11:55 11:55 11:53 11:50 11:45 11:41 11:38 11:37 11:39 11:41
日の入り 16:38 16:51 17:08 17:21 17:36 17:48 18:02 18:14 18:27 18:39 18:51 18:58
  7月 8月 9月 10月 11月 12月
1日 15日 1日 15日 1日 15日 1日 15日 1日 15日 1日 15日
日の出 04:29 04:36 04:49 04:59 05:13 05:23 05:35 05:47 06:02 06:16 06:32 06:43
南中 11:45 11:47 11:47 11:46 11:41 11:36 11:31 11:27 11:25 11:26 11:30 11:36
日の入り 19:01 18:57 18:46 18:31 18:09 17:49 17:26 17:06 16:46 16:35 16:28 16:29

スマホはディスプレイを横にしてご覧ください。

注意したいのは、秋から年末にかけて。
この時季は1ヵ月で40~45分くらい日の入りが早まる。
9月1日に18:09だったのが、10月1日には17:26に、11月1日になると16:46。
先に10月の下山終了時刻は16時と書いたが、中旬以降は15時30分にしている。
山の中では、日没前から周囲はすでに暗い。暗くなれば足元が見えなくなりペースが落ちるわけで、道標を見落としやすくなる、冷え込みが厳しくなる、腹が減る、不安がよぎり心がざわつくなど、一つとして良いことがない。

因みに、夏は日が長いが、夕立・雷雨に遭わないよう日の入りよりだいぶ早く切り上げるようにしている。

自分が登る山の日の出・日の入り時刻が欲しいかい?

でだ、山の上など標高の高い場所では、日の出は早くなり、日の入りは遅くなるのだから、都市ではなく、自分が登る山の日の出・日の入り時刻が知りたくなるのが人情だ。

で、気温の減率(高度が上がるにつれて気温が下がる割合)(※1)のように簡易に割り出す方法はないのか?
自分が知る限り、ない。orz……

計算方法はあるようだが。。。
Δt = 0.140m × √{h sec(φ+δ) sec(φ-δ)}
自分にはなんぞの暗号にしか見えぬ。

「日の出・日の入りの計算 天体の出没時刻の求め方」(地人書館)なる本によれば

日の出・日の入りの計算は,球面上で定義された座標を使わなければならないことと,計算を何度も繰り返しながら真の値に近づいていくという逐次近似法のために,わかりにくいものになっている.
だそうだ。

だが、国立天文台のサイト(※2)に行けば 「こよみの計算(CGI版)」があって、目的の地点の日の出・南中・日の入り時刻、高度方位、月の満ち欠け・月齢などが割り出せるようになっている。
地理院地図やGoogle Mapsで地点選択できるため、自分が登る山についてピンポイントで調べられるのが大変便利だ。

これは、 「こよみの計算(CGI版)」で表示された、霧ヶ峰は車山湿原、2019年11月3~12日の、日の出・南中・日の入り時刻。
利用価値は高そう。活用してみたらいかがだろうか。

どうしても自分で割り出したいという方は、先に挙げた「日の出・日の入りの計算」という本が役立つかも。

本書は,天文計算の基本である天体の出没時刻の計算を,その原理から具体的方法まで,くどいほどに丁寧な解説を試みた.
とのこと。
天文計算にトライしようとは思わないが、「くどいほどに丁寧な解説」というのが妙に気になる。だが、中学生の時に因数分解で砕け散った自分は、この手の本を開くや脳みその細胞が瞬時に破壊されることがわかっているので、自分の力で割り出そうとする人を応援して、天文台のプログラムを利用することにする。

コースタイムの割り増しを忘れずに

小休止・大休止の時間を加味

下山終了時刻からコースタイムを逆算すれば登山口に立つ時刻が求められるが、通常、コースタイムには休憩時間は含まれていないため、小休止・大休止の時間を加味してプランニングしよう。

例えば4時間コースの場合。
小休止10分×2回+昼食大休止60分=1時間20分
を歩く時間にプラスしておきたいもの。
そうすると、トータル5時間20分くらいを見積ることになり、下山終了時刻が15時なら、9時40分ごろに登山口に立つことになる。

6時間コースなら、
小休止10分×4回+昼食大休止60分=1時間40分
トータル7時間40分。歩き始めは7時20分ごろ。

前日から山小屋などに泊まってそこから歩き始めるのならよいが、日帰りの場合、登山口=下車駅でなければ、駅から登山口までのバスや徒歩の時間をプラスし、さらに下車駅までの電車の乗車時間もプラスする。

また、必要なら、体力や経験、季節、天候などに応じてコースタイムを何割か多めに見積るといった調整も行いたい。

自分の場合、日帰り6時間コースなら、たいがい最寄駅を5、6時台に出る電車に乗ればよいのだが、面倒なので始発に乗ってしまう。山中で時間的な余裕が出るのはよいことだし。
その代わり、朝飯を家で食べて出掛けないと気が済まない人なので、超早起きとなる。

◆(※1):気温の減率については、霧ヶ峰の気温を自分で予想する【夏の気温編】で。
◆(※2):国立天文台のサイトは、 暦計算室のページも参照されたし。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です