花明り~日暮れの霧ヶ峰

終バスが去って、高原に人がいなくなる。
陽が落ちて、紫色の空に茜色の余光が映える。
すでに仄暗い緑の原にあって、ツツジの株だけが紅く浮かび上がっている。
誰もいないから誰にも見られない。
誰のものでもない美しい風景なんだけど。

夜、ヘッドランプを消してみる。
月の光に白いコバイケイソウの群落が浮かぶ。
風に揺れる淡雪。

鹿の鳴く声が聞こえる。

夕。紅色のツツジの群落と茜色の光線で、高原は赤みを帯びて暮れてゆく。
春と夏の狭間だからか? この時季の夕空は透明感がハンパない。
誰もいないから誰にも見られない美しい景色。
ころぼっくるひゅってのテラスにて。コーヒーだけ飲んで帰ってしまうとこの情景には出会えない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です